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【お仕事紹介】文化振興課〜大卒・行政・5年目〜

 こんにちは、人事課Sです😄
今回は、文化振興課のAさんにお話を伺いました。Aさんは文化財の保護・活用の仕事をしているそうですが、秋田市に所在する「文化財」、どんなものがあるか知っていますか?市のホームページに一覧がありますので、ぜひ見てみてください。数の多さだけではなく、いろいろな種類・分野があるのだなということを感じていただいたところで・・・Aさんのインタビューをご覧ください💁


🌾どんな仕事をしていますか。

 文化振興課には振興担当と文化財担当の2つの担当がありますが、私は文化財担当として、主に文化財の保護や活用のための仕事をしています。
 文化財とは、文化庁のホームページを見ると、「長い歴史の中で生まれ、はぐくまれ、今日まで守り伝えられてきた、貴重な国民的財産」と書かれています。具体的には伝統的な祭りや歴史的な建造物、古文書、美術工芸品、地中に埋まっている埋蔵文化財等、非常に多岐に渡ります。中でも私が担当しているのは、秋田市御所野にある地蔵田遺跡で行っている公開活用事業や、文化財を保存・継承するための費用を支援する補助事業、特別天然記念物であるカモシカ関係の業務、文化財等の所在を示す標柱の業務管理などを行っています。
 例えば、カモシカ関係の業務ですが、カモシカは国の特別天然記念物であるため、文化財として位置づけられており、文化財担当の所管です。勝手に捕獲したりすることはできませんので、市街地でケガをして動けないカモシカがいる場合は担当として現場に駆けつけ、保護等の対応をする必要があります。また、カモシカが畑の作物を食べてしまうのを防ぐため、防護網の支給など、食害対策も行っています。

🌾1日の業務の流れを教えてください。

 1日中、庁内でデスクワークをしていたり、ほとんど外出していたりと、その日によって業務の流れはかなり違いますが、ちょうど中間くらいの日を例にご紹介します。

8時30分〜 出勤、メールチェック
9時30分〜 地蔵田遺跡へ:当遺跡で活動しているボランティア団体「弥生っこ村民会」との会議
12時00分〜 昼休憩:午前の会議で一緒に出席した先輩職員と外食。外出していない日は持参したお弁当を食べます。
13時00分〜 午前の会議録作成:地蔵田遺跡で実施するイベントの企画、窓口・電話対応。カモシカ関係の対応など
17時15分〜 終業、退勤(忙しい日は多少残業します)

🌾やりがいを感じるときはどんなときですか。

 文化財担当は、遺跡や歴史的建造物など、かつて秋田市に住んでいた人々の生活や営みを感じられるものに触れる機会が多いです。そうした昔の生活スタイルや技術といったものは、私たち現代人の普段の生活では不要なものもあるかもしれませんが、私としては、知らないことばかりなのでよく感銘を受けています。そういったことを知れるのは楽しいです。
 また、地蔵田遺跡で行っている公開活用事業もやりがいある仕事です。定期的に小学生向けの体験講座を行っていますが、参加してくれた小学生が一生懸命に取り組み、苦戦しながらも最後には楽しかった、また来たいと言ってくれた時は、企画してよかったなと思います。

🌾地蔵田遺跡公開活用事業について詳しく教えてください。

 地蔵田遺跡とは、秋田市御所野にある旧石器・縄文・弥生時代の遺跡です。全国で初めて木柵で囲まれた弥生時代前期(約2,200年前)の集落が発見されたことから、国の史跡に指定されています。発掘調査では、木柵で囲まれた集落跡のほかにも、堀立柱建物跡や当時のお墓などの遺構、土器・石器などの遺物も数多く発見されました。発掘調査終了後に、全国に先駆けて市民協働による整備を行い、最も特徴的な弥生時代前期の集落跡を復元整備しました。現在は、3軒の竪穴住居や、竪穴住居をぐるりと囲む木柵などが立ち、「弥生っこ村」の愛称で親しまれています。

 前置きが長くなりましたが、地蔵田遺跡の公開活用事業とは、地蔵田遺跡の発掘調査や整備の歴史を学んだり、弥生時代の暮らしぶりを体験したりできるような体験講座、イベントなどを実施する仕事です。そのような事業は、弥生っこ村で活動しているボランティア団体「弥生っこ村民会」の協力なくしてはできません。弥生っこ村民会との調整や各種体験講座の講師依頼などの仕事も行っています。

 弥生時代の生活を体験できる体験講座は、主に小学生向けに行っており、今年は、竪穴住居の茅葺き屋根を補修する差し茅体験や、古くなった木柵を入れ替える木柵復元体験のほか、土器作りや火おこし体験などを実施しました。弥生時代の暮らしは、電気・ガス・水道といった現代では当たり前のインフラが全くありません。そうした状況の中でも、当時の人々は知恵をしぼって生活していたんだということを学んでもらっています。
 このような体験を実施する中で、「当時の人は大変だったね」、「昔の生活がわかったかな」などとちらっと話しかけたりして、子どもたちに少しでも歴史を肌で感じてもらえるように心がけています。

🌾逆に大変だなと思うことはありますか。

 文化財は種類や分野が非常に幅広く、市民の方からのお問い合わせなどで、地域の文化や歴史に関する(自分が全く知らない)ことについて質問をいただいた際は、調査したり対応するのが大変だと感じています。
 また、文化財の保存や活用をするにも、そのときの文化財の状態や状況によって対応が異なったりします。柔軟な対応が求められますが、今年4月に異動してきたばかりの私にとっては、その時々でよりよい対応をするのが難しいと日々感じています。わからないことや判断に迷うことは、周りの先輩職員に相談しながら進めており、毎日勉強のつもりで頑張っています。

🌾「文化財の保存・活用」というと、専門的な知識が必要そうですね。

 文化財に関する知識は、都度、先輩職員に教わったり、秋田市の歴史を通覧できる「秋田市史」や学術論文・報告書などの書籍から学ぶこともあります。また、秋田市では、文化財の保存および活用に関して意見を聞いたり、調査研究したりする秋田市文化財保護審議会を組織しており、専門的な判断が必要な場合は、外部の専門家の方からも意見を伺っています。

🌾仕事を通じて知った秋田市の文化財でAさんが一番魅了されたものはなんですか。

 一番というと難しいですが、やはり地蔵田遺跡「弥生っこ村」はとても良い場所だと思っています。復元した竪穴住居や木柵は、訪れるだけで歴史を感じられる空間ですし、風通しの良い晴れた日に散策すると、とても気持ちが良いです。御所野総合公園の南側に位置していますので、公園に来たついででも構いませんので、ぜひ遊びに来ていただければと思います。
 また、秋田市旭南にあります、旧松倉家住宅で行われている取組にはびっくりしました。旧松倉家住宅は、江戸時代後期以降に油問屋を営んだ商家で、県内屈指の大規模な町家として、県の有形文化財に指定されています。

 大きな特徴としては、指定管理者として、民間の管理会社に管理運営をしてもらっているという点です。日々の住宅の管理のほか、様々なイベントやワークショップ、講座等の企画、住宅内の座敷や米倉などの貸室の管理も行っています。このような歴史的な建物を、ただ管理するだけでなく、民間企業の知見を活かして市民の交流の場に活用するという取組は、とても画期的だなと思いました。こちらの施設も、無料で観覧できますので、ぜひお越しください。

🌾異動も経験しているんですね。異動してみてどうですか。

 今年4月の異動前は商工貿易振興課で、主に市内の商工業者の方や新たに事業を起こそうとしている創業者の方に対する支援業務を担っていました。
 異動してから、全く異なる分野での仕事なので、仕事内容や関わる人ががらりと変わって最初は戸惑いました。また、前の課では補助金関係の業務が多かったので、庁内にいることが多かったですが、異動してからはいろいろな用事があって外出することが増えました。
 新しいことを覚えるのは大変ですが、その分、知見が広がりますし、それまで関わりのなかった方々と知り合うことができたので、いい機会だったと思っています。

🌾受験を検討している方へ、一言お願いします。

 市役所はどの課、どの担当に配属されるかによって仕事の内容や業務の進め方が違うことがあります。その分、多様な経験を積める職場ですし、働きながら自分に合った分野を探せる職場でもあるのかなと思います。
 いつか一緒に仕事ができる日を心待ちにしております。

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